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顧客企業を獲得し、継続的な商取引を目指すBtoBマーケティング(Business to Businessの略。法人顧客相手の取引のこと)。
BtoBマーケティングにおいて、どのようなマーケティング手法を採用するかということは、営業活動や利益に直結する重要なテーマでしょう。
そんなBtoBマーケティングの世界で注目を集めているのが、「ABM」というマーケティング戦略です。
この記事では、ABMの定義を確認するとともに、ABMの手順や実践方法についても詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
ABMとは、Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)の頭文字をとったものです。ひとり一人のリード(見込み顧客)に注力するのではなく、ターゲットであるアカウント(企業・組織)を絞りマーケティングを仕掛けるマーケティング手法のことを指します。その特性から、企業や法人を相手にビジネスをするBtoB企業で採用されることが多い手法です。
ABMにはさまざなメリットがあるため、BtoB企業をはじめとした色々な場面で利用されています。ここでは、そのメリットについて詳しくみていきましょう。
ターゲット企業があらかじめ絞れているので、余計な広告やプロモーション活動をする必要がなく、ムダを削減することができます。そのため、自社の人材や資本を1つの取引に集中させ、対象顧客にとって最適なプランや施策を用意することができるのです。
ABMは効率的なマーケティングを実現させます。
売上の8割程度は、2割の大口顧客によって創出されるとするパレートの法則。ABMでは本当に重要な顧客だけを相手にするため、パレートの法則を基にした非常に効率的なビジネスが可能になります。
ABMは、BtoBマーケティングの中では費用対効果が高いとされおり、継続的な経営において最も重要な利益率を上昇させることにもつながるのです。
ABMでは、対象企業の関心を高めるために、顧客データや聞き取り調査に基づいて最適なコミュニケーションやプロモーションを行います。これらは、完全に個別化されるため、特別感や熱意を伝えることができ、継続的な取引や強力につながりやすいとされています。
限られた顧客を相手するため、より深化した顧客情報などが手に入ることもあるでしょう。この顧客情報は、マーケティングの分析段階において非常に役立ちます。
適切な分析は、プランニングの最適化や良好な関係性の持続をより強固なものにしてくれるため、重要なものとして捉えておきましょう。
企業のターゲッティングは、業務における連携を強くしてくれるという効果もあります。
その中で、顧客と最前線で対峙する営業部門とマーケティング部門との連携は最も重要です。適切な意思疎通ができていなければ、顧客へのアプローチが失敗してしまう可能性が高まります。
対象企業が限定されるABMでは、営業活動を狭く、深くすることができるため、連携をしっかりととる余裕も生まれるのです。
また、ABMの顧客重視の考え方をマーケティング担当者が理解しているという点も、営業との連携が取りやすくなる一因でしょう。
効果的なBtoBマーケティングABMを実践するためには、正しい順序に沿って進めていく必要があります。
ここでは、ABMの手順を詳しく紹介します。
まずは、顧客情報や自動でマーケティング活動を発展させてくれるMAツール(マーケティングオートメーションツール)を活用しながら、取引の相手となるアカウントを選定しましょう。
取引の規模による評価も大切ですが、継続的取引の可能性や利益率、影響度などのさまざまな要因を考慮し、総合的な判断を下す必要があります。
今後の運命を決める非常に大事な作業ですので、しっかりと時間をかけて検討したいところです。
ターゲットアカウントが決定したら、アカウントの組織構造を読み取り、組織の中における意思決定者などを特定していきます。
この作業においては、営業部門に探りを入れてもらうなどの方法が考えられますが、非常に判断がしにくい情報です。明確にならない場合は、社外から情報を購入することも手段の1つとして頭の片隅に置いておきましょう。
ABMの本作業ともいえるのが、「コンテンツ・メッセージの提供」というステップです。分析したデータをもとに、パーソナライズされた情報を届けます。
コンテンツ・メッセージを考えるうえで最も大切なのは、自社の商品やサービスが顧客の課題をどのように解決していくのか、という視点を持つことです。
製品を導入することでどのような結果が待っているのかを、はっきりとイメージできるようなものを提供しましょう。
また、この段階でコンテンツ発信後のキャンペーンの展開についてもプランを練っておく必要があります。
コンテンツの方針が決定したら、どのようなチャネルを使ってコミュニケーションをとっていくのかを考えましょう。
検討すべきチャネルには、EメールやWeb、紙媒体などがあります。
手軽なのはオンライン上でのやりとりですが、有効なチャネルは業界や組織ごとに変わってくるので、検討を重ねて最適なものを選択しましょう。
効果的で万能のようにも思えるABMですが、このマーケティング手法の力を最大限発揮できない場面も存在します。
正しい選択ができるように、ABMが向かない状況を確認しておきましょう。
相手が新規の顧客であったり、これまであまり付き合いがない場合は、ABMがその効果を十分に発揮できない可能性があります。
このような顧客に関しては、マーケティングのスタート時点における情報量が圧倒的に少なく、優良な付き合いができるのかという判断を下したり、パーソナライズされたコンテンツを制作したりすることが非常に難しいのです。
もしも、新規顧客などを相手にする際は、見込み顧客を育成するリードナーチャリングなど、じっくりとコミュニケーションをとって関係を築いていくマーケティング施策を導入すべきでしょう。
前述したように、ABMでは営業部門とマーケティング部門の連携が非常に重要になってきます。
しかし、部門同士の関係が元から良くない場合や忙しさに差がある場合、うまく連携を取ることは難しいでしょう。
営業部門とマーケティング部門の協力が見込めないときは、ABMを断念し、他のマーケティング手法を導入する方が賢明なことがあります。
ABMは企業や組織という単位にマーケティング対象を絞りながら適切な施策を構築していく手法であることがわかりました。マーケティング部門と営業部門の連携をしっかりとることができれば、非常に効果的に機能し、高い成果を期待できるでしょう。
近年はデジタルマーケティングの発展によってさらに注目を集めており、取引相手を大事にするような日本企業との取引において、ぜひ活用したいマーケティング手法です。
ABMで取引をする企業やコンタクトポイントを見極めて、規模が大きく、継続的なビジネスを成功させましょう。
今回はABMについてお話しました。
・ABMとは、明確にターゲットを絞りマーケティングを仕掛けるマーケティング手法
・無駄な広告やプロモーションを減らして、効率的なマーケティングを展開できる
・ABMは、アカウント企業の選定、重要人物の特定、コンテンツの作成、発信チャネルの決定というステップを経ていく
・案件によってはマーケティング手法の力を最大限発揮できない場面もある
ぜひ、お名前.comメールマーケティングを活用してABMを実践してみてください。